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自称料理コラムニストのブログ

 

珍味【河豚(ふぐ)の肝】 河豚の養殖と無毒化で肝(きも)の食用は可能なのか?

 

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高級魚「河豚(ふぐ)」は冬のご馳走だけど・・・

 

こんにちは Makimikanです。ご来訪ありがとうございます(*´▽`*)

 

今回のテーマは「河豚(ふぐ)の肝」

専門店や料理屋では、冬ののシーズンから登場する高級食材の代表として「河豚」や「蟹(かに)」等があります。

その中でも「テトロドトキシン」と呼ばれ、含有量によっては青酸カリの500倍以上とも言われる「毒素」を持つ河豚は、専門性が強く調理するには免許が必要です。

更に、種類によっては身肉や皮にも毒素が含まれるので、食用の種類以外は使用する事が食品衛生法で禁止されています。

 

 

 

【食用可能な主な河豚の種類】

食用として主に使用されるのは・・・

トラフグ」「マフグ」「カラス」「シロサバフグ」等があります。

トラフグは養殖物を含めた高級魚ですが、安価で無毒と言われるサバフグ等は、最近「身かき(毒の部位を取り除いた身」として、スーパー等の小売り店でも見かける事が多いですよね。

※現在、東京都では「ある一定の条件」を満たした物のみ「トラフグ」等の毒を持つ個体も小売店での販売が可能。↓

(事業者向け)東京都ふぐの取扱い規制条例の改正の概要について|「食品衛生の窓」東京都福祉保健局

 

 

【ナゴヤフグ?地方によって呼び名が変わるよ】

上記で挙げた種以外にも、「唐揚げ」や「焼物」等に使用される「ヒガンフグ」「コモンフグ」「ショウサイフグ」等がありますが、これらは「身肉」以外は食べる事が出来ません。

一番厄介なのは可食禁止の「ナシフグ」と見分けが付きにくい事。

ナシフグ」は身肉や精巣にも微量の毒素を持つと言われています。

特に一定の地方や地域では、これらの種をまとめて「ナゴヤ」や「アカメ(メアカフグ)」等と呼んだり、混合する事が多いので注意が必要です。

 

 

 

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泳いでいる時は、結構「噛む力」が強くてヤバイ。こんなに可愛くはない(´・ω・`)・・・

 

 

【河豚の可食部位と条件とは?】

河豚の「可食部位」に置いては各都道府県の条例が事細かにありますが、厚生省が定めた全国で唯一共通の「一定の条件」があります。

それが「精巣以外の内臓部位を提供してはいけない」

「精巣」つまり白子以外の部位の可食を禁じるという事。

※唯一、石川県の「ゴマフグ」で作られた郷土料理「卵巣の糠漬け」は、毒性検査をクリアした物のみが販売可能となっています。

特に毒性が強いのが「肝臓」と「卵巣」で「精巣」は無毒の種が多いのです。

 

 

 【なぜ、毎年フグ毒による食中毒患者が出るのか?】

これは、顎(あご)の下にある「隠し肝」の処理等が甘かったり、「血抜き」がしっかりと出来ていない素人判断の調理によるものが殆どなのですが、実はもう一つ大きな原因があります。

それが専門店や料理屋で常連客に提供してしまう「河豚の肝(きも)」

提供してはいけない筈の「肝」を、常連客からの要望に応えて提供してしまう料理屋があるから。

本来は「皮はぎの肝」等で代用する事が多いのですが、「河豚肝」という珍味を「どうしても食べたい」というある一定の富裕層がいるんです。

何年か前に「元宮崎県知事」に提供して問題になった銀座のお店も記憶に新しい所ですね。

※実際に同じ物を食べた同伴女性に唇のけいれん等の症状が出たようですが・・・

 

 

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 フグと言えば「てっさ」や「てっちり」

 

 

【珍味?ートラフグの肝ー】

 

フグ肝「養殖で無毒化」と県、業界団体は反発 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

http://www.yomiuri.co.jp/national/20161106-OYT1T50087.html

 

有毒として食品衛生法で販売が禁止されているフグ肝の食用化を巡り、佐賀県とフグの業界団体等との間で論争が起こっている。

「養殖による無毒化」で観光資源にしたい県に対し、団体側は「食中毒」の恐れがあると反発。料理店での間でも意見が割れている。濃厚で美味とされるフグ肝だが、安心して食べられる日が来るのかーー。

引用させて頂きました。

 

河豚は肝臓を含め、胃、腸等も隠れて提供するお店があり、ここには書きませんが実は天然ものを含めた「肝の毒抜き」という手法は結構昔から存在します。

味は好みにもよりますが、カワハギよりも濃厚で美味。

「天然では無く、体内で毒素を作る環境が無い養殖ものは食べても大丈夫」なんて人もいます。

ですが、何故そこまでして毒性が強く、非常に危険な「肝臓」を命までかけて食べるのか?(犯罪者にもなりたくない)

キノコの知識が曖昧なまま「キノコ狩り」を楽しんでる人もそうですが、さっぱり理解が出来ません。

 

 

 

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下関と並んで「フグ専門店」が立ち並ぶ大阪だが・・・実は規制が緩い?

 

【免許の取り扱いが曖昧な現状は全国統一にするべき】

都道府県で条例が事なる「フグ免許」は呼び名も変わります。

例えば・・・

東京都では「フグ調理師」

神奈川県では「フグ包丁師」

フグと言えば下関市がある山口県では「フグ処理師」

私の地元の愛媛県では「フグ取扱者」

これらは取得した地域でしか意味を成しません。

 

ですが驚くべき事に「試験」が無く、「講習」のみの地域もあります。

なんと大阪府や北海道等を含む20以上の県がそうです。

つまり実技を含めて(実技さえ無い所もあるらしいが)「講習」さえ受ければ、ある程度は誰でも取得出来るという事。

こういう現状を踏まえると、肝の無毒化よりも先に「やるべき事」が、あるはずなのではないでしょうか?